「ウィアン・クム・カーム」は、チェンマイの街中から南へおよそ10kmぐらいのピン川沿いに位置する遺跡群です。メンライ王が王国の首都をチェンマイに移す前、「ウィアン・クム・カーム」が首都として1286年に建設されました。
ウィアン・クム・カームはピン川の度重なる洪水のため数年後に都としてチェンマイが建設され遷都しています。
「ウィアン・クム・カーム」はランナータイのメンライ王朝時代の16世紀後半まで栄えましたが、1558年に首都チェンマイがビルマに侵略されると、その栄華も途絶え忘れ去られてしまいます。
1984年には、タイ芸術局が、かつての都の名残を寺院「ワット・チャン・カム」に見つけ、その後発掘が始まって以来多くの遺跡が発見され復元されています。現在も発掘中です。
バンコクの北方約720キロに位置するタイ第2の都市チェンマイは、「北方のバラ」とも称される美しい古都。1296年にランナー王朝初代メンラーイ王により新しい首都としてピン川のほとりに建設され、タイ北部の言葉で「新しい街」と名づけられました。以来、この地域の中心として、モン族やタイヤイ族、ビルマ族などさまざまな民族が交流するなか、建築や仏像の様式、言葉や料理、工芸の分野などで「ランナー文化」と称されるタイ北部独自の文化・伝統が育まれてきました。現在でも工芸が盛んな街として知られ、近年はその伝統をベースにタイ芸術の拠点ともなっています。また、周辺はタイ最高峰ドイ・インタノンをはじめとした峰々が重なる緑豊かな山岳地帯となっており、乾季(11月〜1月)は平均気温が約25℃と平野部より過ごしやすいことから、避暑地としても人気があります。